第5章 紅狼ト云ウ狼
『……!?』
「すまんの、壊牙……こうでないと牢行きなんじゃ………」
「死神を殺そうとした奴が死神だと?!」
誰かが言った
「馬鹿者!!口を慎め!!このお方は紅狼家当主の奥方であるのじゃぞ!?」
総隊長は一喝する
「気になさらんで下さい。」
困ったように微笑む亜鶴
『………やるよ』
嫌そうな顔で言う壊牙
(((凄い嫌そう……!!)))
「うむ、配置は儂が「総隊長、」」
「配置は霊王直々に言われました事が……」
『霊王?』
「尸魂界の"楔"よ。壊牙、……正直妾はそんな事をさせとうない……。」
「〖王族特務零番隊〗」
「「「??」」」
『零……?』
「……壊牙は…上から頼まれた死神の存在を消す………魂魄から物、生きていたという証になるもの全てを"消す"………」
「「「!?」」」
『なぜ私が?』
「紅狼家の仕事、跡継ぎよ………主人、当主が病床に伏せておるのよ。跡継ぎを探しているところで見つけたんじゃ、主を……」
「紅狼家の本職は知らされておらぬ、知れてしまえば皆が警戒する為に………二番隊"隠密機動"はその警戒を薄めるため……」
『………私は、きっと命令に従わない………』
「「「!?」」」
「なぜじゃ?」
『私は、………私がこの人は"大丈夫"って思ったらきっとその人は大丈夫だから。……消すか否かは私が決める。』
そう言う壊牙は真剣な顔をしていて
「……分かっておる。安心せい、"紅狼"は"狼"。自分を信じて行動する者じゃ。」
亜鶴は微笑み再び我が子を抱き締めた