第11章 空白
「…この門は通常の穿界門の上から霊子変換機を重ね、それを結合符で覆って固定してあります」
「霊子変換機?」
「そっス。知っての通り尸魂界は魂魄の世界…そこへ立ち入るには魂魄の姿でないと不可能っス。しかし承知の通り魂魄の姿で移動できるのは死神である黒崎サンのみ。他の皆サンは体から魂魄を抜いても因果の鎖がついてるから尸魂界に行くどころかほとんど移動もできやしません。
そこで霊子変換機!こいつは現世のあらゆるものを構成している「器子」と呼ばれる物質を魂魄の主構成物質である「霊子」に変換することができるんス!」
「つまり魂魄を抜かなくてもこの門をくぐれば…」
「そう!そのままの姿で魂魄として尸魂界へ入ることができるんス!」
「よーーし!わかった!そんじゃさっそく乗り込む ゼヘッ」
話が終わったと門をくぐろうと足を出した一護の腹に浦原杖が刺さる
「本題はここからっス♡」
「確かに この門をくぐることそれ自体には何の問題もありません。霊子変換に苦痛は伴わないし、先に進めば確かに尸魂界へたどりつく。
問題は『時間』なんス。
我々が穿界門を開いて尸魂界へと繋いでいられる時間は…もって4分!」
「…4分…!」
「それを過ぎると門は閉じキミ達は現世と尸魂界の狭間である"断界"に永久に閉じ込められることになる!!」
「…ど…どうすれば…」
井上の言葉に返事をしたのは
「前に進むのじゃよ」
「…夜一さん…!」
「言ったじゃろう。心と魂は繋がっておる。大切なのは心の在り様、
前に進もうとする意思じゃ
案内役は儂がつとめよう。迷わず 恐れず 立ち止まらず 振り返らず 残してゆくものたちに思いを馳せず ただ、前に進むのみ。それができる奴だけついて来い」
「用意はいいっスか…と、その前に皆サン。」
「?…何だ浦原さん」
「あっちにもう1人助っ人居ますんで、強力な…ね♡」
助っ人と聞き一護の脳裏に1人の人物が浮び上がる
「!…あぁ!」
「では、開くと同時に駆け込んでくださいね」
「わかった」
「いきます!!」
「おう!!!」
「───任せましたよ───…
…黒崎サン…」