第2章 鬼と異界
念とは、オーラとよばれる生命エネルギーを操る能力のことだそうだ。
「はぁ、そうですか。・・・そんな事よりジン、町は何処にありますか?」
「そんな事ってお前・・・。町はすぐ其処だが、鄙鬼を行かせる訳にはいかない。」
「何故?」
私の言葉にジンはギョッとする。
本当に表情がころころ変わる人だ。見ている分には面白いが関わると面倒だな。
「何故ってお前、本当に分かんないのか!?・・・はぁ。」
何も言わず頷くと、ジンは溜息を吐いた。失礼な人だ。
「さっきの猛獣見たろ。」
黙って頷く。
「あいつ、此処ら一帯のボスなんだよ。町に行くには、あいつ以上の強い奴を相手にしなきゃならねぇ、・・・お前は強いが、念が使えないと此処はもちろん、町でもやってけねぇよ。だから、俺がお前を鍛える。いいな。」
疑問系でもないし。
ここで、頷かなきゃ町へ行かしてくれないんだろうなぁ。
短い時間でも分かった。ジンは頑固だ。
「はぁ・・・、分かりました。不本意ですが、宜しくお願いします。」
「宜しくしてやる!!」
まったく、困った人だ。
あっ・・・、鬼灯様に連絡するの忘れた。
鬼と異界END
おまけ→