第4章 私の彼氏
俺は、自身と付き合っている名字名前の友達だという男に、何故か森に連れて行かれた。
「いやぁ…矢張り森はいいねぇ。静かだし、何より自然豊かで、日頃の疲れが癒されるよ!」
「…ところで、何でお前はこんな所まで俺を連れてきたんだ?」
「…分からないのかい?」
えっ、と俺が言った瞬間、男は俺にナイフを刺してきた。
「うっ、うわあああああ!!」
「君は、本当に名前を愛しているのかい?だって、彼女言ってたよ。少し失敗するだけで、君は怒るって。そんなものが愛なんて言えるの?私だったら、失敗した名前を慰めるのに」
「きゅ、急に何するんだ…失敗したら…怒って、彼女に、学ばせる、のが、普通じゃ、ないか。」
必死に痛みに耐えながら俺は言う。
すると、それを聞いた男がこう言った。
「君、全然彼女のことを愛してないなァ!!…よし、君をここで殺そう。だって、私の方が名前を愛しているのに、君みたいな彼女のことを全然分かってない輩なんかに彼女を盗まれたくないもの。」
それを言い終え、男はナイフを俺に刺し続けた。
「ぐあっ…があっ………どうし、て、俺を―――」
暫くたち、私は男の死を確認した。
「はあ…ははははは!!にしても、がっかりだなぁ…彼女と付き合うくらいなら、彼にはもっと愛があると思っていたのになぁ…価値の無いただの虫だったよ。」
でも、これで漸く名前が私のものになる。こんなに喜ばしいことはない。
―――もしまた彼女に近づく輩が出たその時は。
「うふふっ。さぁてと、そろそろ彼女のところに戻ろう!!」
嗚呼、楽しみだなぁ。