第21章 仕事
「太宰さん!今日こそはちゃんと仕事して下さい!」
「え〜嫌だよ〜」
また何時ものパターンだ。
私は彼、太宰治のことが少し苦手だ。
何故なら、仕事をしたい私にとって、彼は煩くて仕事に集中できないからだ。
何時になったら、彼は真面目に仕事をしてくれるのだろう。
はあ、と溜め息をついていると、
「名前が―――してくれるんだったら、考えてあげても良いよ?」
「え?」
「だからあ、君が私にキスしてくれたら、仕事してあげても良いよってこと!」
「はあ!?」
何言ってるの!?でも、ここで私がすれば仕事に集中出来るかもしれない。
「……分かりました。」
そして、私は彼にキスをした。
すると、
「んっ…」
意外にそのキスが甘くて、溶けてしまいそうだった。
「はあっ…美味しかったよ」
「〜っ!太宰さんの馬鹿!もう知らない!」
私はそう言って、意地悪な笑みを浮かべた彼から離れていった。
でも、今回気づいたことがある。
自分は、もしかして、彼のことが―――