第20章 私の姫
目を覚ますと、そこは花畑だった。
「此処は…」
「目が覚めたかい?私の愛しい姫」
「え!?あ…」
そっか、私王国の姫で、何故か城の中で倒れて―――その先が分からない。
けれど、此処に居て自分の無事が確認出来たし、まあ良かったのかな。
でも、この男性は一体誰なのだろう。
暫くすると、男性が話しかけてきた。
「それでは、一緒に城へ帰るよ、私の愛しいお嫁さん」
「え、姫!?」
この男性と結婚などした覚えがないが。
少し不審に思ったが、もしかしたらこの人が命の恩人なのかもしれない。
まあ、いっか、何だか疲れちゃったし。
私は考えるのを辞めた。
この時姫は気づいていなかった。
自分が倒れている間に、男性が何をしたのか。