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文スト短編集

第18章 憂鬱も君となら


ぽつ、ぽつと雨が降っている。
私は部屋の中にいる。
「雨って、何だか憂鬱だな」
一人でそう思っていると、何だか部屋の中にいるのもな、と思い、外に出ることにした。
「……」
私はただ、人の少ない道を歩いている。
雨の音が、私の気分の憂鬱さを更に引き立てている。
「早く晴れないかな」
その時だった。
雨の中、傘もささずに歩いている人を見つけたのは。
「雨にうたれて体温低下…そのまま死んでしまうのもいいなあ」
「ちょっと!何やってるんですか!私の傘に入って下さい!風邪引きますよ!」
「おや…これは可憐なお嬢さんだ。どうか私と心中して頂けないだろうか」
「ぷっ…あははっ!面白いですね!貴方!」

「何故笑うんだい!?私は君に、本当に惚れたのに」

「え…?」
「一目見た時、この女性は美しい、私も一緒になりたいと思ったんだ。」
初対面の人にこんなこと言われても、直ぐに心中なんてしようとは思わない。
けど―――
「私で良ければ…貴方と付き合いたいです。」
「嬉しいよ…じゃあ宜しくね」
雨の日も、案外悪くないのかも。
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