第9章 彼の手の中
「お姉ちゃん!」
「ん?如何したのQちゃん?」
「一緒にぬいぐるみさんで遊ぼ!」
「うん!」
私はポートマフィアの一員で、Qちゃんの世話役を任されている。
暫く遊んでいると、
「名前お姉ちゃん」
「ん?如何したの?」
「昨日、僕が知らない人と喋ってるの見たよ」
「え?それが如何した―――いたっ!!」
Qちゃんが突然私の腕を強く掴んできたので、思わずQちゃんの腕に傷をつけてしまった。
「あ、お姉ちゃん、僕を傷つけたね!」
「……あ」
忘れていた、Qちゃんを傷つけた者は、彼の異能力にかかってしまうことを。
「お姉ちゃんを僕の異能力で支配して此処に閉じ込めちゃえば、ずっと僕しか見えない世界になるよね?」
「い、嫌だ…」
彼の異能力にかかってしまえば、幻覚で他の人を殺してしまうかもしれない。
私は絶望を感じ、泣き喚いた。
「名前お姉ちゃんは、僕だけを見てれば良いんだよ」