第7章 崩壊
愛や恋、それに結婚。
そんなものが世の中には溢れていたが、自分は全くそれが分からなかった。
何故、恋をする必要があるのかも分からずに、気付けば私は大人になっていた。
数ヶ月後、私は、その謎を漸く解き明かすことが出来た。
それは彼、太宰治と付き合い始めてからだった。
彼は優しく私に接してくれ、他の良い部分も見え、彼に惹かれるのにも時間は要らなかった。
「治、ありがとう。私と付き合ってくれて。私、とても幸せだよ。」
「ふふ…私も同じさ」
その言葉を発した彼の顔が歪んでいたように見えたのは、気のせいだろうか。
暫く経つと、私に事件が起こった。
「治!!此処は何処!?私、昨日まで私の家にいたよね!?」
「え?これは君と私の愛を邪魔させない為に、君を監禁しただけだけど?」
その言葉を聞いて、私はぞっとした。
「うふふ…名前は私だけのものなのだから」
本当に恋が分かっていなかったのは、果たして私か、それとも―――