• テキストサイズ

眠り姫の物語【ツイステ】

第5章 ユニークなトランプ達は踊る




たくさん踊ったオーロラは、1人テラスへと足を運んでいた。

重いドレスを着込んでの連続ダンスは、やはり体力を消費する。

休憩がてら風にあたりに来たのだ。


ステンドグラスで出来たカラフルな窓を通り抜け、ホールからせり出た広いテラスに出る。

すると彼女を心地良い風が包んだ。うっすらかいていた汗も引いていく心地がした。

すると、そんな彼女に近付いて行く1人の男。

「お姫様、もしかしてお疲れぇ?」

フロイドだった。

『!』

図らずとも、彼女は身構えた。

そんなオーロラの気持ちを知ってか知らずか、勝手に彼は続けた。

「今日のドレスより、オレ前の奴の方が好き〜」

フロイドが言う前の奴、とは。

彼とオーロラが初めて出会った時に着ていた 青のマーメイドスタイルのドレスの事を指していた。

「あれを着たお姫様、本物の人魚みたいだったから」

『…まるで、本物の人魚を見た事があるみたいに言うのね』

「………アハッ」

冗談で言ったつもりのオーロラに、フロイドは違和感のある間で笑ってみせた。

相変わらず、人を食ったような態度の彼だったが

気まぐれなフロイドに耐性が付いてきたオーロラ。

もう彼が何を言っても何をしても、簡単に驚いてやるものか。オーロラは自分の中で、勝手に決まり事を作っていた。


しかし、オーロラはすぐにまた彼に驚かされてしまう事になる。

急に自分の前にフロイドが跪いたのだ。

『フロイド!?』

驚くオーロラの手を取り、その手の甲に軽く口付けを落とす。

「お姫様、オレと踊ってもらえますか?」

彼の口から飛び出した言葉に、目を白黒させるオーロラ。

まだイエスともノーとも言っていないのに、フロイドは立ち上がって

勝手にオーロラの腰を自分の方に寄せる。


唐突に始まるダンス。

フロイドの踏むステップに、彼女は無意識に合わせてしまったのだ。

その後は、流れるように2人は手を取り合った。
/ 526ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp