第24章 誠意の欠片も感じられない謝罪
「あ〜もう めんどいって」
そう言ってアズールの前に出たのは、やはりフロイドだった。短気な彼は、これ以上 静観してはいられなかった。
挑発的な瞳を 最強の魔法士に向ける仲間を見て、アズールとジェイドは身構えた。もしかすると、戦闘になってしまうかもしれない と。
しかし、2人ともフロイドを止める事はしなかった。
「アンタがぐちゃぐちゃ何考えてんのか、そんなのは知ったこっちゃねぇの。
…お姫様がアンタを呼んでんだよ。だからさぁ、さっさと…行けって。
ローズの事、待たしてんじゃねぇよ」
フロイドは、顎をしゃくって言い切った。
その後ろで、アズールとジェイドの2人は無言で頷く。この言葉が、3人の総意である事を意味しているのだった。
この言葉を受けたマレウスは…
牙を剥いた。
「随分と…好き勝手言ってくれる。
こうなったのは、お前達のせいだろう!!」
今まで無気力に座っていただけのマレウスだったが、まるで別人のように激昂した。
錯覚なのは分かっていたが 3人の目には、彼の長身が2倍にも3倍にも膨れ上がって映った。
「お前達さえ居なければ!僕は彼女を呪ったりなどしなかった!お前達さえ…っ」
身構えた3人のを、火球が襲う。
1番前に立っていたフロイドに向かって、それは目にも留まらぬスピードで飛んで行く。
しかし彼は、微動だにしない。一向に避けようともしない。
すると信じられない事に、そんなフロイドを火球の方が避けたのだ。
「…当たんねぇよ」