第21章 育まれる愛とフルムーン
ローズが16歳の誕生日を迎えるまで、残すところはあと3週間ほど。
運命の日は、待ってはくれないのでした。
ローズは確信しています。
自分を眠りから覚まさせてくれる男性は、マレウス ドラコニアその人に違いないと。
彼女の心は揺れ動きます。
彼にこの想いを打ち明け、もし眠りについてしまった時には、自分に口付けを下さいと乞うべきなのか…
しかしもしも、拒絶されてしまったらという恐怖。
やはり打ち明けないで、自然の流れに身を任せた方がよいのか…
そう。ローズは今まさに、生まれて初めて 恋というものに向き合っているのです。
恋は、楽しいだけではない。喜があれば哀がある。そんな色んな感情が同居して成り立っているのだと、知るのでした。
ですが、側から見ている分には 順調に2人の距離は近付いているように見受けられます。
そう言っている今も、まさに逢瀬を重ねているようですよ。
では、そんな2人の様子を 少し覗いてみましょう…