第12章 貴女の心が欲しいスペード
『それに、このネックレスに宿っている力…
あながちインチキじゃない、のかも』
「え?それは…どういう意味…」
くるりとデュースの方は向き直ったローズは、自分より少し背の高い彼を見上げて言う。
『だって、私…このネックレスのおかげで
デュースの事を、好きになったわ』
「…………は!?///」
全く予想すらしていなかった彼女の言葉に、体を仰け反らせて驚くデュース。
『楽をして人の気持ちを手に入れる事を、貴方はしなかった。
私は、そういう真面目で優しいデュースが…昨日よりも確実に好きになったの』
「………び、」
微妙!!彼はそう思った。
愛の告白とも取れるし、単純に人としての愛情を深めたともとれる彼女の言葉!
だが恐らくは…
『??』
「…深い意味は、無いよな…多分」はぁ
ローズのぽやっとした表情を見ている限り、さきほどの言葉には デュースが欲しかった意味合いは含まれていないだろうと。
彼は予想した。
「……というか、ちょっと待てよ…」
デュースは、ヤベェ事実に気がついた。
(ローズがこのネックレスの力を知っていたって事は…。俺がこれをプレゼントした時点で、ローズの事が好きだから俺の事を好きになってくれ。って言ってるようなもんじゃないか?いやもうそれって紛れもない、ただの告白ってことだろ!!)
「〜〜〜っっ、、///」いや無理無理無理!恥ずかしい死ぬ!!
1人悶絶を始めるデュースを、楽しそうに見つめるローズであった。
『うーん、デュースって本当に面白い…。そういうところも私は好』
「もういいからちょっとローズは黙っててくれ!!///」頼むから!