第8章 天喰くんの屋根裏
〜1部屋目 敵の個性攻撃を受けて〜
リルルside
「…頼む、から、来ないで…くれっ…」
『環先輩っ』
まさか、デート中に敵に襲われるなんて誰が予想してただろうか。
環先輩は市民を守ろうとした際に、敵の攻撃を受けてしまった。
そんな中でも、敵を倒して市民を守った環先輩は本当にカッコ良かった。
けどー
「うぐっ…はぁ、はぁっ…」
『…環先輩っ!』
ここからじゃ顔はわからないけど、息が荒いし、凄く苦しそうで見ていられなかった。
『敵は倒したのになんでっ…』
「…ハッ、出すモンださねぇと治んねーよ? ただ出しただけでも、治らねーがな!」
警察に連行されながら、敵が吐き捨てるように言った台詞。
『…そんなっ…じゃあ…環先輩はー』
私は、環先輩に駆け寄った。
「ダメ、だっ!…それ以上、近づいたら、君を嫌い…になる…」
環先輩に拒絶されて一旦躊躇したけど、もう見ていられなくて構わず抱きついた。
『…かまいませんっ!』
「……っ!?」
『…もう、環先輩の苦しんでる姿なんて見てられない、私も一応、ヒーローですっ、だから環先輩を助けたい…』
「…リルルっ…」
『私なら、大丈夫ですっ、環先輩になら何されてもいいから…』
「……っ!?」
そう言うと、環先輩は翼を生やしてその場を後にした。
向かった場所は環先輩を沈められる場所、ラブホテル。
部屋に入ると辛いはずなのに、環先輩は優しくベッドに下ろすと私に馬乗りになった。
「…はぁ、はぁ、もう、限界だ……//」