第1章 もっと。
「おや、監督生さんのこちら…ぐっしょり濡れているようですね…」
「ひっ…や…恥ずかしい…」
布越しに入り口をトントンとノックされると、そこが疼いているのもよくわかりキュッと子宮が収縮する。しかし先輩は布越しにそっと撫でるだけで求めている快楽をくれない。
「せん…ぱ、い……」
「どうしました?」
「あの……その………」
言葉に詰まって顔を背けると「こっち見ろって言ってんじゃん」と言って無理や向かせられた先には歯を剥き出しにして舌舐めずりするフロイド先輩がいた。
「ねぇ小エビちゃん、今さぁ誰のこと考えてた?だ〜〜〜い好きなジェイド?」
「ジェイドのいないところで、他の雄にされて気持ち〜くなっちゃった?ほら、ここはジェイドのベッドだよ?嬉しい?」
フロイド先輩に罵られ涙が溢れてくる。先輩はジェイド先輩ではないのに、フロイド先輩は私の反応を見て楽しんでるだけなのに…。私は…。溢れる涙を袖口で拭うが止まってくれない。
「フロイド…せんぱ……ごめ…ん…なさい…」
「あーあ、もう飽きた。」
「へ…?」
「じゃ、俺行くから〜」
そう言ってフロイド先輩は出て行ってしまった。私も行かなくちゃ…。ガクガクと震える脚に力を入れて立ち上がると、ぐしゃぐしゃになってしまったジェイド先輩のベッドのシーツを整えた。部屋にある鏡を覗くと、目は真っ赤で酷い顔が写っていた。ハンカチで顔を拭き、髪を整えてみるが泣きはらした事は目に見えてわかる。
先輩、ごめんなさい…。
小さく呟き部屋を後にした。
「遅いんだぞ!」
オクタヴィネル寮から鏡を抜けて鏡の間に来るとグリムが飛び込んできた。
「グリム?」
「先程あちらでお会いしたのでお連れしたところです。監督生さん。」
「ジェイド、先輩…」