第10章 紺青の享楽 ~後編~ 【伊達政宗】R18
「出すぞっっ」
莉乃が果てたのがわかった俺は、ようやく欲を手放した。
ぐねぐねと動く中に、何度か吐き出す。
受け取るといったが、女より早く果てるなんてみっともないことはできない。
それは男としての小さな意地、だった。
「やっぱ最高だな、お前。」
倒れ込んできた莉乃の背を抱えるように抱き、軽い莉乃の重みと吐息を楽しむ。
・・・呼吸が回復次第、次は俺が愛を打ち込む番だと決めた。
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「政宗~~!!!」
そう言って駆けて胸に飛び込んでくる莉乃をガシっと受け止める。
「こら~莉乃 廊下は走らない!」
隣にいた秀吉が莉乃をたしなめるが、莉乃はニコっとしながら肩をすくめ「ごめんなさい」と可愛らしく謝ってみせた。
その笑顔に秀吉が毎回「ったく、、、」と目尻を下げることが気に入らないが、莉乃の笑顔には誰も勝てないのだから仕方がない。
「ねぇ政宗、また卵焼き作って??」
上目遣いで目をキラキラさせて。
こんなに可愛くおねだりされて、作らない訳にいかない。
「おう、わかった。
じゃぁ、夕餉は俺の御殿で一緒に取るか」
「俺も今夜は空いてるぞ?」
秀吉が横から挟んでくる。
「秀吉さん、ごめんなさい。
今夜は二人でゆっくり過ごしたいので…また次の機会に」
秀吉がかわいそうになるくらいの即答だった。
そう言うと、俺に向かって「ね?」と同意を得るように首を傾げる。
何かを期待するような目線と共に。
ったく、仕方ねぇ。
あんな目しやがって。
こんなに良い女を受け止められねぇようじゃ、伊達の名折れだ。
あれ以来、莉乃はどんな感情も俺の前で出すようになった。
そんな莉乃が愛おしくて仕方ない。
喜びも、悲しみも、怒りも全部、お前のことは俺が受け止める。
莉乃と居れば、この先もずっと退屈することなんてないだろう。
500年なんて気にならないくらい、俺がお前を絶対に幸せにしてやる。
約束だ、莉乃。
まずは卵焼きの約束から果たさなきゃ、な。