第4章 梔子の嫉妬 ~後編~ 【徳川家康】R18
「んーーんん、あぁっっっっっ!!!!」
莉乃の体がひときわ大きく跳ねたかと思う瞬間、搾り取られるような圧がかかった。
「くっ、莉乃…」
また果てたんだと感じとった俺はこらえきれず、莉乃の中にすべての欲を吐き出した。
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莉乃の心ノ臓の音を聞いている。
先程まで少し早かったその音は規則正しい周期に戻り、その持ち主のように穏やかに脈を打っていた。
「問題ない、みたい」
俺がそう言うと、
「『恋煩い』だからまた不規則になっちゃうと思う」
「それは俺も同じ」
鼻先にチュっと口づけた。
静かで満たされた時間が過ぎていく。
「…家康?」
「ん?」
「さっき、なんであんなに焦って来たの??」
「あぁ、それはね…」
「後で教えてあげる」そう言って俺はまた莉乃に覆いかぶさった。
もっと気持ちを伝えるために。
秀吉さんたちの『策略』によって自分の気持ちに決着がついた俺は、天邪鬼から脱却できるかも、と思った。
少しだけ、だけど。