第18章 傾国の紅粉 【豊臣秀吉 編】 R18
莉乃は出血していた。
初めての場合それはよくある、という事は知っている。
今まで血なんて戦場でいくらでも見て浴びてきたはずなのに…
莉乃を出血させてしまった、ということに俺は動揺していた。
「大丈夫か? 痛くないか?」
「ふふっ、秀吉さんそればっかり。
平気だってば、もう心配症なんだから。」
ふふっと笑う莉乃が可愛すぎて、つられて笑ってしまう。
その笑顔はなんだか…
女の艶が増したような、潤いが増したような…
抱かれる前の莉乃と少し、違っていた。
隣に寝転んで『恋人繋ぎ』をしながら 他愛ない事を話すこの時間。
俺は幸せを噛み締めていた。
「秀吉さん、気持ちよかった?」
「あぁ、もちろん」
「それなら良かった。
ありがとう、お願いを聞いてくれて。」
お礼を言うのはこちらのほうだ。
誕生日だというのに、俺の方がとても大きな贈り物をもらったのだから。
「莉乃、愛してる。 この先もずっと。」
この大きな贈り物のお返しは、俺の一生をかけて莉乃を愛していくことだ。
そんな気持ちを込めて、莉乃の額に口付けを落とした。