第68章 おあずけ
「あっ…んっ、やっ…信長さまぁ…」
「ふっ…いやらしい声だな、唆られる…もっと聞かせよ」
ーっぷっ くちゅんっ
「ひぁっ!あ、あ、あぁ…んっ…」
内腿を撫でていた手がいきなり核心部分に触れたかと思うと、ずぷりっと武骨な指がナカへと埋め込まれる。
待ち望んでいた刺激は、私の理性を簡単に壊してしまう。
ナカはもうひどく濡れていたらしく、信長様の指を簡単に奥まで導く。
グリグリと掻き回したり、浅く深く突いたりと、その動きは滑らかで澱みがない。
的確に私のイイところを突いてこられて、すぐにぐずぐずに蕩けてしまう。
ふと、信長様の顔を下から見上げると、濃密な愛撫をしながらも、その顔には余裕の笑みが浮かんでいる。
(うっ…私の方がおあずけされてたみたい…)
信長様に我慢をさせていたつもりが、逆に自分の方が久しぶりの交わりに身体が堪えられなくなっているようだ。
いつだって余裕たっぷりで、少し悔しい。
昨日の夜も…家康に貰った薬を使っても信長様は全然平気そうだった。
少しも乱れたところをお見せにならなかった。
「………考えごとをするとは、余裕だな」
「………えっ?っ…あっ、や、んんっ、痛っ」
胸の頂きをキュッと摘まれて、脳内に甘い痛みが走る。
コロコロと転がすように撫でた後、指先でピンっと弾かれて思わず腰が跳ね上がる。
「っ…やっ、いじわるっ…」
「考えごとなどする貴様が悪い。俺に集中しろ。貴様は、俺のことだけ考えておればよい」
「んっ…は、い…」
(信長様…いつだって貴方のことだけ考えています。貴方に触れられることが……この上なく気持ちイイ…)
「……朱里」
「っ…んっ、んんっ、っ、はぁ…」
くいっと顎を掬われて、唇が重なる。
信長様の薄い唇は常よりも熱くなっていて、私の唇を覆うように重ねられたかと思うと、すぐに尖らせた舌先が下唇をトントンと突ついてくる。
思わず微かに開けてしまった唇の端から侵入した信長様の舌は、くるりと口内を舐め上げる。
上顎の下をざらりと舐められて、擽ったいような気持ちよさに身体が震える。
「んっ、ふぅ、う…ふっ…」
鼻から抜けるような甘い吐息が溢れてしまう。
自分でも驚くほどいやらしい声が出てしまった。
信長様との口づけは、いつだって、とびきり甘くて気持ちがイイ…