第48章 満たされぬ心
達したばかりの気怠い身体を起こし、朱里の秘部から一物を引き抜くと、ごぷっという音とともに、入りきらなかった白濁が流れ出る。
ぐったりとうつ伏せになって荒い呼吸を繰り返している朱里の身体を、後ろから抱き締めながら耳朶を甘噛みする。
ピクッと身動ぎながら、
「…ん…信長さま…好き」
蕩けた顔で愛を囁く可愛らしい姿が、堪らなく愛おしい。
我を忘れる程に乱れ堕ちる朱里の姿を久しぶりに見られて、俺は心も身体も満たされていた。
最近の閨での朱里は、子を望むあまりか、快楽を得ていてもどこか心ここに在らずな様子で、子作りの為だけの交わりは正直なところ、どこか虚しく感じていたのだった。
「朱里、愛してる」
耳元でそう囁いてやると、甘えるように胸元に頬をすり寄せて来る。
頭の上に口づけを落とし、その艶やかな黒髪を梳いてやる。
(いつまでも愛らしい…他の女を抱くなど、もはや俺には出来そうもない)
時を忘れて睦み合い、いつの間にか夜もだいぶ更けていた。
身体の気怠さと満ち足りた心が眠気を誘うようで、朱里を腕の中に閉じ込めたまま、目蓋を閉じる。
すぐにやってくる眠気に身を委ね、俺はゆっくりと深い眠りの底へと落ちていった。