第106章 収穫祭の長き夜

「あっ、あぁっ…信長さまっ…」

「くっ…あまり煽るな、朱里。貴様の声は聞いていて心地良いが…良すぎて正気ではいられなくなるっ…」

「んっ、そんな…あっ…」

いつの間にか夜着はすっかり肌けてしまい、曝された雪のように白い素肌に次々と紅い華が咲いていく。
身体中余すところなく口付けを落としながら、信長の手は朱里の細腰を撫で下りて更に下へと向かう。

ーくちゅっ…にゅるっ…

「っ…はっ…あぅ…」

信長の手が太腿をするりと撫で上げ、足の間を擽った瞬間、身体の中心がかあっと熱を上げ爪先がふるりと震えた。
散々焦らされた身体はトロトロに蕩けていて、少し触れられただけなのに奥からじわりと蜜が湧き上がってきていた。

(あぁ…ダメっ、溢れちゃう。口付けだけでこんなになるなんて恥ずかしい。でも…早くもっと触れて欲しいっ)

焦らされたせいとはいえ、物欲しげに蕩け切った身体は更なる快楽を求めてヒクヒクと震えてる。
無意識に腰が揺れ、はしたなくも自分から信長の手へ腰を擦り寄せてしまった。
けれども信長は意図的にか、それ以上指先を奥へ進めることなく花弁の上をやわやわと撫でるのみであった。
もどかしいぐらいに淡い刺激に、この期に及んでまだ焦らされるのかと堪らない気持ちになる。

「くっ…ふ…信長さま、どうして…」

「もっと触れて欲しいか？物足りぬのなら、そう言え。言わねば、このままだぞ？」

どこまでも余裕の態度を崩さぬ信長は、口元にうっすらと笑みすら浮かべて言う。
今宵はいつにも増して意地悪だな、と困惑しながらも、一度口にしたことは決して覆さないのが信長だということは長い年月隣にいてよく分かっていた。
言われたとおりにしなければ本当にこのまま寸止め…などと言うことも十分あり得る話だったのだ。

「っ…お願い、信長さま…もう…我慢できないの。もっと触れて…奥まで…信長さまが欲しい。いっぱい悪戯…して下さい」

羞恥で顔が熱くなるのを自覚しながらも、信長を真っ直ぐに見上げて懇願した。
自分から強請るなど、はしたなくも恥ずかしかったが、焦らされ過ぎてこのままでは身も心もおかしくなりそうだった。