第95章 雪の日に

両手で胸を包まれて揉みしだかれるたび、チャプンチャプンっと湯が激しく揺蕩う。
湯の熱さと湯気の湿気のせいで、頭がぼんやりとしてきていた。
身体に力が入らず、背後の信長様にくったりと身体を預ける。

「っ…はぁ…信長さまぁ…も、やっ…変になる…からぁ…」

「………のぼせたか？」

火照って赤くなった私の顔を覗き込む。

本当にのぼせたかもしれない。雪遊びで冷え切っていた身体は、今はもう、芯から熱く、抑えきれないほどの熱が身の奥で爆ぜ始めていた。

「はぁ…はっ…んっ…信長さまっ…」

ぼんやりとした頭でこれ以上考えることが億劫になってきた私は、無我夢中で信長様の首に腕を回して縋り付く。
互いの濡れた肌がピタリとくっつくのも厭わず、ぎゅうっと身体を寄せた。

「っ…朱里っ…」

縋り付く私を信長様は軽々と抱え上げて、勢いよく湯船を出る。
そのまま洗い場を壁際まで移動して私を下ろすと、壁に押しつけるようにして身体を寄せられる。

「あ…んっ…信長さま…？」

「…褥まで待てん。ここで今すぐ寄越せっ…」

ーぐりっ…ぬちゅっ…

「ひっ…うっ、あぁっ！やっ、待って…」

膝裏に手を差し込まれ、片足をグイッと持ち上げられたかと思うと、脚の中心にぬるりと熱いモノが押し当てられる。

湯の中での触れ合いですっかり溶けきってしまっていた私の入り口は、硬く滾った欲棒を今すぐ欲しいと強請るかのように、ヒクヒクといやらしくひくついていた。

「くっ…これはまた如何なる仕業だ？まだろくに触れてもおらんのに、随分と解れているな。貴様の身体ももう待てぬようだぞ」

「やっ…そんなこと…」

「ない、と言えるのか？ここはもう…こんなだぞ？」

ーぐじゅっ…ずぶずぶっ…ぬちゅうぅ…

「やあぁ…ンンッ…あっ、あ"あ"ぁっ…」

一気に突き上げるように熱い塊りが身体を貫く。
片足を持ち上げられた不安定な格好で貫かれて、ぐらりと揺らぎそうになるのを、信長様の逞しい腕が支えてくれる。

壁に押し付けられた背中が、激しい抽送のたびに壁に擦れてジリジリと痛む。

(っ…んっ…立ったままで、なんて…恥ずかしい)

膝裏を抱えられて脚を高く持ち上げられているため、秘部は大きく開かれてしまっている。
俯く信長の視線がソコに向けられているような気がして、どうにも落ち着かない。

「んっ…信長さまっ…見ないで」