第95章 雪の日に
あの後、雪合戦は私達東軍の勝利で幕を下ろした。
西軍の政宗は孤軍奮闘、最後まで粘ったのだけど、一瞬の隙を突いて信長様が結華を奪ったことにより、勝敗は決したのだった。
信長様に守られながらではあったけれど、最後は私も思う存分雪玉を投げられて、雪合戦を堪能できた。
終盤は、少し動いだけではぁはぁと息が上がり、日頃の鍛錬不足を皆の前で明らかにしてしまったようで、気恥ずかしくもあったけれど……
(疲れたけど楽しかったな。明日になればもう雪も溶けてしまっているかしら…ひと時でも皆と楽しい時間が過ごせてよかった)
城に戻ると皆、冷えた身体を温めるために湯を使うことにしたのだが、信長様は当然のように私を連れて、湯殿に向かわれたのだった。
一緒に湯に浸かるといっても、信長様が大人しく温まるだけのはずがない。
口付けに始まり、当然それだけで終わるはずもなく、湯の中で信長様の手が私の肌を滑っていく。
湯船の中で背後から抱き締められたまま、身体の線をなぞるように撫でられる。
ゆっくりとした動きだが、信長の手の動きに合わせて湯が水音を立てて揺れ、波紋が広がっていく。
「あっ…ンッ…ひっ、あっ…」
湯に濡れた首筋に熱くなった唇を押し付けられ、ちゅうっと強めに吸い付かれてしまう。
薄い皮膚に歯を立てられて、チリッと僅かな痛みを感じるが、その痛みは只々甘く、心地好いばかりだった。
「あ…んっ…ダメっ、もう…」
湯船から立ち上る湯気で白く烟った湯殿に、揺れる水音と甘やかな喘ぎ声が響く。
「ダメではない。しっかり身体を温めろ。俺が貴様を芯から熱くしてやる」
「っ…ああっ!」
するりと内腿を撫で上げた手が、そのまま脚の中心の部分に挿し込まれ、割れ目の上をそおっと掠めていった。
表面を薄く撫でられただけなのに、思わず大きな声が出てしまい、信長様の足の上だというのに、腰をビクリと震わせてしまった。
信長様の焦らすような手つきがもどかしく、身体の奥の秘めた欲をジリジリと煽られるようだった。
(あぁ…もっと触れて…もっと奥まで…熱くなりたいっ…)