第93章 緋色の恋情

奥からジュワッと熱いものが溢れ出る感触に信長が指を抜くと、栓が外れた入れ物のように、プシャッと音を立ててナカから愛液が流れ出た。

絶頂を繰り返している朱里は、信長の首に取り縋って、はぁはぁと荒い息を吐いている。

「はぁ…はぁ…んっ…もっとっ…信長さまぁ、もっとぉ…」

「くっ…貴様っ…」

「あっんっ…も、指っ、やだぁ…欲し…のぉ…信長さまの、欲しいっ…んっ、ちょうだい…？」

虚ろな目をして絶頂の余韻に浸っていたのが嘘のように、視線をしっかり合わせて直接的に強請られては、信長の理性が持つはずもない。

「……もう一度、言え」

「んっ…あっ…えっ…？」

「朱里っ…もう一度だ、もう一度言え。俺の、何が、欲しい？」

「あっ…んっ…信長さまの、硬いの、欲しいっ…」

「硬いの、では分からん。分からねば挿れられんぞ？それとも…こっちでまた果てるか？」

濡れそぼった割れ目に、つぷりと指を飲み込ませる。

「ンンッ！あっ、はぁ…やぁ…も、指はやだぁ…信長さまのがイイのっ…あっ…くっ…」

「俺の、何だ？」

ぐちゅぐちゅと指で浅く擦りながら意地悪く責め立てる。
普段の朱里なら絶対に言わないであろう卑猥な言葉を、言わせてみたかった。


「うっ…くっ…お、願いっ…も、たまんない…欲し…信長さまの、硬くて熱い…ま、魔羅が、欲しいのっ…ここに…」

自らの指で割れ目をくぱっと開け広げて、ここに欲しいと強請る姿はたまらなく卑猥で、たまらなく可愛かった。

(朱里…貴様の愛らしさこそ毒のようだ。愛らしくて、知れば知るほど虜になる。甘く痺れるような…俺だけの極上の毒。
こんな毒なら、何度喰らったっていい…)


ここが旅先の宿で、庭が見える縁側で、すぐ隣の部屋には子供達が眠っていて……そんなことはもうどうでもよかった。

目の前で淫らに啼いて自分を強請る愛しい妻を、只々満たしてやりたかった。
自分もまた、満たされたかった。


「っ…朱里っ…くれてやるっ…好きなだけ、俺を貪れっ」


ーにゅちゅっ…ぬぷっ、ぬぷぬぷっ…

隆々と天を突く男根を濡れそぼつ割れ目にあてがうと、何の抵抗もなくにゅるんっと飲み込まれる。
ナカの滑りと熱さに思わず恍惚となる信長だったが、次の瞬間、柔らかな襞に激しく締めつけられて息を呑む。

下から突き挿れた瞬間、朱里は絶頂に達したようだった。