第5章 パーティの夜※
「………っ…」
無言の私に低く笑みを残して、彼が私の寝間着の前を少し開いた。
「ん………」
私の肩や背中の皮膚に口を付けながら、両胸の膨らみに柔らかく指を沈ませた。
その隙間から頂にキスをし、ゆるゆると唇を滑らせる。
「……あ…あん」
ルカさんが触れた唇や暖かい手のひらからじんわりと、与えられた事の無い感覚が走った。
それが肌から私の内側に染みていく。
『嫌じゃない』
タイミングを逃してしまったせいでつい、そう言いそびれた。
ベッドの上で横に重なるようにルカさんが後ろから愛撫を続ける。
指先で探られた胸の先を緩く指の腹で弾かれ、加減のわりにきつ過ぎる刺激に肩が震えた。
「ッあ」
やっぱりどうしても及び腰になってしまい、温かい手の平をお腹に感じて前の方へ身動ぎしようとする。
そしたら肩に回された手に力がこもり、そんな僅かな抵抗などは何も効力がないみたいだ。
ルカさんの指先が下へと下りていく。
足の間に滑り込んだそれらが私を撫で、ひくんとまた全身が震えた。
次々と被せられる様な動きから、触れられている箇所に電流が走ったようだった。
息苦しくて、私はまるで元の猫みたいな浅い呼吸を繰り返した。
「前も思ったけど…ドレスよりずっと綺麗だね」
「んん……」
いつの間にはだけきった衣服。
申し訳程度に肌にまとわり付くそれをルカさんが取り除いていく。
苦しいのか恥ずかしいのか、色んなものがごちゃごちゃになった。
『嫌じゃ、ない』
私は以前から、ルカさんに触れられるのは好きだ。
そして、こうする事で彼が寂しくないのなら、遠くに行かないのなら。
そう思ってこうなっている。
だけど。
……そうはいっても体の表面に触れられてつつ、と引かれる。
すると私の指先や腰がゆるりとルカさんを追うみたいに動き、そんな自分に戸惑ってしまう。