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小さな愛【R18】

第3章 一人目 案内人ルカ



家を出発し、歩き続けることしばらく。

段々と道が開けてきて、少しずつ人、正しくはヒト型とすれ違う頻度が増えてきた気がする。
だけど、確かにお店などはぽつぽつとあるのだが『家』らしきものはなかなか見当たらない。


「あれ?」


ふと私は足を止めた。


「どうしたの」

「なにかあそこに、家のような建物があるような気がします」


目をすがめてルカさんは私の指す方向を見るも何も見えない、と答える。
取り敢えず近くに行ってみよう、ルカさんはそうも言って、私の向かう方についてきた。


「へえ……」


そして彼は驚いたように声を上げた。
私たちの目の前には、今、確かに家がある。


「ふーん。目的の家を見付けるのは、きみが認識するのが鍵なんだね」


今度は重厚で、大きな石造りの家だった。
乾いて年季の入った様子の壁に蔦が絡まっている。
ルカさんがそれを見上げて注意深げに声を掛けてきた。


「気を付けて。 僕はきみを守ると言ったけどそれ程大きな体をしている訳でも無いから、大型獣には恐らく敵わない。成弥を助けるって目的も分かってるし、きみにはとても悪いとも思うけど、いざとなったら僕はきみを連れて逃げるつもりだよ」


戸惑ってそんなルカさんを見詰めた。
この人は私をとても心配してくれてるんだ。なぜ知り合って間もない私にとも思う。
でもその気持ちが心強くとても嬉しい。

意を決した私は高く重たそうなドアに手を掛けた。


「こんにちは! わあ、可愛いお姉さん!!」


人間の頃でいうとまだランドセルというものを背負ってそうな、私よりもかなり背の低い男の子。
はしゃいだ様子で中途半端に空いた扉から顔を覗かせた。

それを見た私とルカさんは一瞬ぽかんとしてお互いの顔を見合わせ、彼が無言で額に手をやり静かに首を降った。




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