第2章 あなたと私
声をかけると
善子はハッと目を開き、
私の顔を見た。
「君……すごく可愛いね!本当に可愛い!」
「えっ?あ、ありがとう…」
いつのまにか
善子に両手をギュッと握られている。
顔が…近い…
「ぜ、善子、ちょっと近いよ」
「わっ!?ごごごごめんね!?
君が可愛いから、つい!」
離れはしたが、
両手は何がなんでも離さないようだ。
なんだか不思議な子。
でも、嫌な感じはしない。
「私は梅月。よろしくね、善子」
「うん!よろしくね、梅月ちゃん」
太陽のようにまぶしい笑顔を
私は真っ直ぐ見ることが出来なかった。