第8章 さよなら、愛しい世界
『真太郎…愛してたよ』
最後まで、この日まで
それでも終わりにするのは私なのですか?
『真太郎の幸せをただ願ってるよ…』
微笑んだ夢の頬に涙が伝っていく
ピーッと鳴り響く心音計
緑間「夢…?夢!夢!」
緑間は微笑んだまま冷たくなっていく夢を抱き締めた
ボロボロと涙が伝っていく
そして火葬場─…
ボーッと煙を見つめる緑間に近づく1人の人物
それは夢がお世話になっていた看護師だった
看護師「あの、これ…夢さんから預かってました」
緑間に渡されたのは、書いていた手紙
緑間「これは…?」
看護師「亡くなったら…渡してくれって頼まれました」
緑間は受け取ると開いた
【元気でいますか。
笑顔は枯れてませんか。
他の誰かを深く、深く愛していますか。
真太郎のいる世界で笑ったこと、真太郎の見る夢を少しだけ恨んだこと、真太郎の声、温もり、態度、愛の全てにありがとう。それからさよなら】
所々涙で文字が霞んでいた
緑間「いつかまた会おう…夢」
緑間の瞳から再び涙が流れた