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無償の愛を君に
第9章 ※ホラーとサトリ
今吉「(負けるってわかっとんのに)」
床で寝たままの夢が、少しだけ目を開けた
『しょ…いち…さ…』
今吉「起きてもうたか?」
『……』
スースーと寝息
寝言だったらしい
けれどその手はしっかりと自分の手を握っていた
怖がりな夢
寝る時はいつも手を握ってくる
今吉「ホンマに参るわ…。悟っとるんわ自分やないか?」
手を離し、抱っこすると寝室へ運ぶ
そして、ベッドへ横にすると、今吉も横になる
今吉「気持ちええな…」
今吉は夢を抱き締めて、深く深く眠りに着いた
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