第3章 ギルド
?「ここよ!ここが私達のギルド!!」
ここが…。
そこは、なんだが人がたくさんいて、お互いにふざけたりお酒を呑んだりしていた。
初めてみる光景。
『背筋は常に伸ばし、食器は音を立てない、フォークとナイフは上品に、自分の立場をわきまえよ』
頭に、お父様の言葉が浮かんだ。
『よいか、ソフィア。お前はエリトリア家の娘だ。だから何事にも気品を持て。食事は【楽しむ】ものではないのだ』
私達にとって、食事など気位の高さや地位名誉の象徴でしかなかった。
けど、ここの人達は違う。
彼等は食事を【楽しんで】いた。
?「どうだ?気にいったか?」
緋色の髪の女性の問に、私は思わず、
「はい。素晴らしい場所です」
と言った。お世辞じゃない。
?「だったら来いよ!!」
桜色の男の子に言われ、私はためらいなくうなずいた。
私は解放されたかったんだ。
あの堅苦しい生活から。
いいえ…
お 父 様 か ら……