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【ヒロアカ/轟焦凍】私のヒーロー、君のヒーロー

第2章 過去の自分


*楓風side*

私はかつて、地元にある凝山小学校に通っていた。
普通に、周りと変わりなく楽しく過ごしていた。

…五年生までは。

高学年になってみんなが異性を意識し始めたころ、
当時、私は周りよりも告白されたりすることが多かった。
そして、家が近かった焦凍とは仲が良かった。
焦凍は女子にモテ始めていて、当然、私はひがまれることが多くなっていった。
6年生に上がると、焦凍とクラスが離れ、チャンスだと思ったのかだんだんといじめられるようになってしまった。

クラスの中心的な存在の女子グループが悪質で、精神的に追い込まれるには充分なほどだった。
登下校を一緒にしていた焦凍には何度も心配されたが、いじめられている原因の1つである焦凍に相談しては悪化するだろうし、何より迷惑はかけたくなかったのだ。

何度も嘘をつき、私は作り笑顔をよくするようになった。

弱い自分に、何度も嫌になった。
死にたい、消えたいと思うこともあった。
頑張って耐えても、流石に中学に行ってまでいじめ続けられるのは我慢ができなかった。

それで私は少し離れた、知り合いのいない中学を受験して、
努力してあいつらなんかに負けないほど強くなってやろうと思うようになった。

焦凍に言えば理由を聞かれるだろうと思った。
いじめのことは言うなと言われていて言えなかった。
弱い自分を認めるようで言いたくもなかったし、
心配もかけたくなかったため、言えなかった。
いや、言わなかった。


今のこの負けず嫌いは、きっとここから来ているのだと思う。

そして私は、自分みたいな人も救える強いヒーローになりたいと思い、雄英の受験を決めた。

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