第7章 恐怖
「えーでは始める前にお小言を1つ、2つ…3つ…4つ…」
(増える……)
と増えていくお小言にみんなが身構えた。
「皆さんご存知だとは思いますが、僕の個性はブラックホール、どんなものでも吸い込んで塵にしてしまいます」
(なんかちょっと否定的な入り方だな)
と楓風は思った。
「その個性でどんな災害からも人を救いあげるんですよね!」
緑谷が興奮して言うと、「ええ…」とあまり嬉しそうにせず、濁す13号先生。
「しかし簡単に人を殺せる力です。
皆さんの中にもそういう個性がいるでしょう」
楓風はハッとした。
(…そう。窒息死させることなんて、簡単に出来ちゃう)
個性の危険さについて長々と話したあと、
「今日はその個性を人命のためにどのように活用するか考えていきましょう」
とのことだった。
クラス全員の心に響いたであろう13号の言葉。
楓風は、これから人を助ける為に個性を使っていくのだ、と改めて心に誓うのだった。
(あ、そう言えばやっと分かった。今日は救助活動ね!!)
話を聞いていなかった楓風は今、内容を知るのだった。
「そんじゃあまずは…」
と相澤先生が口を開いた矢先。
違和感を感じたのか、後ろを振り向く相澤先生。
(…ん?なにあれ…)
黒い渦のようなものが、突如現れた。
「ひとかたまりになって動くな!!」
相澤先生が急に声を張り上げた。
それとほぼ同時に、黒い渦の中から人が現れた。
「え?」
「13号、生徒を守れ!!」
渦から人がどんどん出てくる。
そうか、あれは
(敵…!!あれは、ワープゲートか!!
何で、こんなとこに!!)
「ん?なんだあれ?
入試んときみたいな、もう始まってんぞパターン?」
のんきにそんなことを言う切島たち。
『違う、そんなんじゃない!!あれは本物の』
「動くな!!あれは敵だ!!!」