第5章 負けず嫌いと負けず嫌い
楓風は勝己と話して和解(?)して、彼のおかげでずっと絡まっていた糸がほどけた。
勝己に謝られた後、爆破による火傷を治してもらうために、リカバリーガールのところへ来ていた。
「あんたも無茶するね…。
他の策もあったろうに!!他人を思いやるのは良いことだけど、もっと自分の体を大事にしんさい!!」
(この子は咄嗟の判断も的確なタイプだと思ってたけど、さっきの様子を見てると…。
何があったんだか…)
『えへへ、ごめんなさい
気を付けまーす…』
「治癒したから、傷は残らないはずさね。
全く…。緑谷出久みたいなのは一人で充分さね!!」
とお叱りを受けた楓風。
治癒で体がだるくなってしまったので、そのままモニターを見ることにした。
(あ、焦凍達のチーム…!!)
しばらく見ていると、焦凍のチームの番が来た。
彼が気掛かりな楓風は、モニターに集中した。
すると彼は、仲間である障子くんを外に出すと、建物を一瞬で氷漬けにしてしまった。
(す、ずごい威力…!!一瞬で!!)
完璧コントロールと策で、一人で一瞬で終わらせてしまった。
でもそれは、なんだか"左なんて使わなくてもここまで出来る"というメッセージに感じてしまって、心が痛くなった。
(私は、どうしたらいいんだろう
今の焦凍に、…何をしてあげられるんだろう)