第4章 友達
「楓風ちゃん、朝は大変だったわね」
HRが終わってすぐ、蛙吹達が心配して楓風の元へ駆け寄ってきた。
爆豪は早々と何処かに消えてしまった。
『ううん、ごめんねっ、みんなにも迷惑かけちゃって…』
「気にしないで!!っていうか楓風ちゃん、すごかった!!」
「うんうん、あの爆豪くんに言い返せるの楓風ちゃん位じゃない??」
「かっこいい~!!」
「あんな理不尽な言い掛かりにも対応するなんて、やっぱり楓風さんは素晴らしいですわ」
と麗日と芦戸、葉隠、八百万に褒められてしまって、楓風は自身の行いに恥ずかしくなった。
(やっぱり負けるのが嫌でつい止まらなくなっちゃうんだよね、悪いところだ
後で爆豪くんにも謝ろっと…)
「あ、成瀬さん…!!」
と急に緑谷が呼び止めた。
『緑谷くん!!…どうしたの??』
「あのさ…、かっちゃん、あいつ負けず嫌いで…
だから昨日成瀬さんに負けたのが悔しかったんだと思う。
だからそんなに気にしないで、…その…」
HR中に考えてまとまったことを楓風に言う緑谷。
『そっかぁ…
ありがとう、わざわざ心配して教えてくれて』
楓風は一瞬驚いたが、すぐ笑ってお礼を言った。
一方、楓風のことを心配して立ち上がったものの、女子に先を越されて行き場のない焦凍。
そのやり取りを遠目に見て、溜め息をついた。
(…なんだこの気持ち)