第2章 過去の自分
「…お前、なにか買いに来てたんじゃねぇのか」
3年分の色々な話に浸っていると、楓風はやっと焦凍に聞かれて本来のこっちに来た目的を思い出した。
『あぁ!!そーだった、買い物してご飯作んないと…!!
焦凍、ありがとう!!』
「ちょっと話しすぎたな、暗いから送る…っていうか方向一緒か」
外を見ると、もう暗くて街のビルなどの電気や星が見えていた。
『でも買い物するから…』
「いや、俺もまだ話したいことあるから」
久しぶりに会って誤解もとけて話せるようになったのに、離れるというのは名残惜しかった。
話したいことだってまだまだある。
『…じゃあ、お言葉に甘えて』
3年ぶりに二人で歩く帰り道は、驚くほどあっという間に過ぎた。
(まだ別れたくないな)
なんて柄にもないことを思ってしまう自分に驚く焦凍だった。