第5章 愛しのパパから贈り物
あれから一年近く。3つ子達も成長し言葉を喋り、ぺたぺたと歩いては色んなものに興味を示すお年頃になった。クマラはまだ来ていないが、三人にもパパが居ることは兄のペロスペローが自慢げにたっぷりと話し込んでいる
3つ子の1番上である次男のカタクリは、リンリンやペロスペロー、コンポートが今か今かと待ち遠しい気分で一年間も待っている事を聞き少しばかり気になってはいた。あのママが、待つのが苦手なママが人を待っているのだから気にもなる
そんな中、幾つもの包みが一斉にリンリン達に送られてきた。なんだなんだとそれらに集まる3つ子達を、焦ったようにペロスペローが引き剥がす
「ペロリン、爆弾かもしれないだろ?不用意に近づいちゃダメだ」
「えー」
海賊として名を馳せる以上、こういった危険にも目を配らなければ簡単に死んでしまうのは通り。兎に角誰が送ってきたのかを確認しようと、そっと名札を取ってそれを開いた
「……」
「ペロスにい?」
「?」
名札をみて固まったペロスペローに対し、3つ子のオーブンとカタクリはそっと近づいた。勉強をしているから、文字がどう書かれているのかを理解出来る
「……クマラ?」
不思議そうにそれを見つめるカタクリは、チラッと固まっているペロスペローの顔を覗く。その表情は影が差して見えず、3つ子たちの不安を煽った
刹那、ペロスペローが「ママ~!!!!」と大きな声でリンリンを呼んだ。いきなりの事でびっくりした3つ子は肩をビクつかせて一時的に距離を置く
「マンママンマァ~♪ペロスペローが大きな声でオレを呼ぶなんて珍しいねぇ。どうしたんだい?」
「パパ!パパから!」
「!?」
パパと言ったペロスペローの言葉にリンリンは目を見開く。パパ?とあのパパかと顔を見合わせる3つ子を他所にリンリンは包みに手をつけた
「これはオレ、こっちはペロスペローでこれはコンポートだね。あぁ、カタクリ達にも来てるよ!来な!」
ママに呼ばれては仕方ないと、3つ子達は急いでその包みの方へと駆け足で向かう。いそいそとペロスペローの後ろから包みを覗くと、そこには沢山の美味しそうな食べ物が詰め込まれていた