第3章 若き四人の海兵
「わかった!お前“しょたこん”なんだろ!」
「誰がショタコンだ」
少年が思う存分クマラと遊び、帰って言ったあとの港ではガープの不満げな声が響いていた。自分には素っ気なく、子供には妙に優しいところが気に食わない模様
子供は目利きした事の良し悪しで性格だって変わるんだと言うクマラに、俺だってまだ成長途中なんだと自慢げに語るガープ。あまり自慢できないことをセンゴクに諭されちょっと恥ずかしくなったのか縮こまった
子供っぽい性格ではあるが、と目を細めるクマラに、センゴクは「やはり着いてきてはくれませんか」と諦め半分で語りかける。無論、と頷くクマラにセンゴクもガープも肩を落とした
「一番のまとめ役があぁじゃぁねぇ」
「全くだ」
それらを遠くで見守っていたおつる達は、それでも初めてあそこまで執着したなと語り合う。まるで初恋のように踏ん切りのつかないサマに、まさかねぇなんて笑いあった
そんな中、ガープがふと大きな声で「じゃあこうしよう!」と何か条件を提示し始めた。おつる達の距離では聞こえないが、それを聞いたセンゴクの表情が変わりクマラになにか言っているのが見える
何話してるんだ?と近づいた二人は、クマラの「お前ら結婚する相手とかちゃんと悩んで決めた方がいいぞ」という言葉を聞いて唖然とした。二人はクマラにある条件を達成したら結婚を前提に付き合えと勢いで言っていたのだ
「ちょっとこっち来な二人とも」
「??」
問答無用で2人を引っ張ったゼファーとおつるは、まるで説教のように懇々と二人に結婚とは何かを説明した。ガープは知ってるぞそれくらいと言った顔で、センゴクはあぁやってしまったと、知っていて尚勢いに任せたのが伺える
「取り敢えずあんた達はまだ……あっ」
「?あーっ!お前ー!どこ行くんだよー!!」
おつる達が話している間、隙をついてクマラはすたこらと自分の船に乗り込み出港していた。オールも漕ぎ急いで離れている事から本気で逃げようとしているのが見てわかる
肩を落とし「まだ求婚してたのに」と呟くガープに、センゴクは「お前だけじゃないんだぞ」とこちらも肩を落とす。初めて会った人物に求婚とはと、そういった懸念が緩々な二人におつるとゼファーは顔を見合せため息を吐くのであった