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夢過ぎる水溜りボンド

第2章 episode2


「お疲れ様です!今日は皆さんでわざわざお越しいただいてありがとうございました!
改めましてこれから、よろしくお願いします!」

兄が直角にお辞儀をしながら答える。

「ぶはっ!笑 かってーなー!Pさんは喋りがかてーよ!笑
おもろいなぁ…ほんと!ん?アレ?その子Pさんのお客だったの?」

ひとしきり笑ったあと、やっと私の存在に気が付いた彼は兄に尋ねた。

「ん?妹のことですか?」

「妹なん?」

「妹のマコトです!マコト?この人がね、富永さん!」

『あ…兄がお世話になってます。』

私はとっさに言った。本来であれば兄の態度から察するに
お昼は失礼な態度をとってしまい申し訳ございませんでした。
くらいの挨拶をするべきだったのか。
今思うとこの時の私は、興味と好奇心の目でこちらを見る彼に、
あまりいい印象を受けなかった。

「そっか!そっか!にーちゃんのライブ間に合ってよかったな!
にーちゃんかっけーな!俺はピンではできんからね!」

拍子抜けだった。
あれ?なんだろ?もっと怖い人かと思っていた。

「トミー!行くよー!」

少し離れたところから声がした。
そして彼は兄に手を振り仲間のもとへと戻っていった。

「富永さんはね!優しくて、凄い面白い人なんだよー!」

兄は目を輝させもっと話を聞いてほしそうだったが
私は、お腹すいた。と伝え一旦頭を休める方向に努めた。



こうして私は、この日、今後の人生を大きく変えるものとの出会いを果たした。
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