第1章 1話

翔「あの....どうしてここまで？マンションの前までで良かったのに...。」
彼は俺の住む部屋まで付いてきた。
？「翔ちゃんが心配だから...。」
翔「え？」
？「いや...何でもない....。とにかく中に入れて。」
と仕方なく彼を部屋に入れた。
翔「あぁ〜...何もなくてごめん....。麦茶で良い？」
？「うん。」
と彼はテレビの台に飾ってある伏せてあった写真立てをひっくり返した。そこには笑顔で写っている彼と彼にそっくりな男子が写っていた。
？「まだ大事にしてたんだ....。」
翔「麦茶どうぞ。写真を見てたんですね？それは、修学旅行の時に撮った写真です。そういえば、貴方とその写真に写ってる子....似てますよね？」
？「そうかな....?」
翔「ちなみに貴方のお名前は？私は櫻井翔です。」
？「雅紀です。」
翔「雅紀さんでしたか...。今日は助けて頂いて助かりました。」
雅紀「ううん、気にしないで？」
翔「あの....何のお仕事をしてるんですか？」
気になっていたことを聞いてみた。
雅紀「獣医。」
翔「すっすごい...。」
雅紀「モテて大変だよ......。」
翔「............。」
この美貌ですから当たり前ですよねー。と心の中で突っ込んだ。
翔「俺、シャワーを浴びてきますね？良かったら雅紀さんも使って下さい。」
とシャワーに入り、頭を乾かして寝室に向かったのは1時過ぎだった。
翔「雅紀さん、まだ起きてたんですか？先に寝てて良かったのに...(てか寝室の場所教えたっけ？)」
雅紀「翔ちゃんが眠るまで俺は起きてるよ。さっベッドに入って？」
翔「.....はい。」
と素直にベッドに入ると彼は布団を掛けてくれた。
雅紀「おやすみ、翔ちゃん。怖い夢見ないようにおまじないかけるね？」
チュッ
と俺の頬に口付けを落とした。
翔「おっおやすみなさい....。」
と俺が深い眠りに就くまでずっと頭を撫でてくれていた。