第4章 4話
東京へ向かう飛行機の中、雅紀のお願いでずっと手を握っていた。
雅紀「なんだか1日だけ恋人になった気分だな。」
翔「雅紀が言ったんだろ?東京に着くまで恋人ごっこしたいって....。」
雅紀「翔ちゃんにもし恋人が出来た時の予行練習だと思って?」
翔「わざわざ付き合って貰って悪いな。」
雅紀「翔ちゃん。」
翔「ん〜?」
と呼ばれ俺たちは見つめあった。そして、なんの躊躇もなく雅紀が俺の唇に軽く触れた。
翔「............。」
俺は何が起きたのか分からずぼーっとしていると雅紀に身体を抱きしめられた。
雅紀「翔ちゃん....俺の分まで幸せになってね。」
翔「うん....。」
雅紀「これからもずっとずっとずーと大好きだよ。」
翔「俺だって雅紀のこと大好きだよ。」
雅紀「愛してる。」
と微笑んで俺の身体を離し、自分の席に戻った。
そして、俺の手を再び握り直して目を瞑った。
翔「おやすみ、雅紀....。」
と微笑んで雑誌に手を取った。
そして、飛行機は羽田空港に到着した。
翔「雅紀〜?もうすぐ着くよ?雅紀〜?」
と呼びかけても全く反応しない....。
翔「雅紀!いつまで寝てんだ!起きろ!」
と頬を叩いてみた....。でもピクリともしない。
翔「え?嘘だろ....。雅紀が全く反応しない....。雅紀が動かない....。どうしよう...........。」
俺は焦りと恐怖で気が狂いそうになった。
雅紀は飛行機の中で意識を失ってしまったのだった....。