第2章 来てしまった絶望
「さてと・・・。これだけの銃があれば足りるな。」
フーリは、銃の入った箱を荷馬車に乗せた。
そして、ウォール・シーナ内に入っていった。
待ち合わせ場所は、憲兵団本部前の門だ。
フーリは、門の前まで来て荷物を下ろした。
すると、二人の憲兵団兵士が来た。
「よお、フーリ!今日もたくさんあるよな?」
そう言って、荷物の中身を確認した。
「十分だな。ほらよ!今日の金だ。」
フーリに向かって、金の入った袋を渡した。
「これは、密売だからな。くれぐれも、ばれるなよ・・・」
フーリは冷たく言い放ち、その場を後にした。
フーリがウォール・ローゼの地下町に戻ると、なにやら人があふれていた。
何事だよ・・・。
フーリは、人々の会話に耳を傾けた。
「おい!聞いたか!シガンシナ区とウォール・マリアの壁が巨人に破壊されたらしいぞ!」
「本当か!100年も平和が続いたのによ・・・。」
ついに破壊されたのか。
このつまらない世界におもしろいことが起こったな。
私には、関係ない。巨人が勝とうが、人が勝とうが。
ところで、壁を破壊した奴はどんな奴だろうな・・・。
見てみたいものだ。
そうだ、訓練兵になろう。調査兵団に入れば、外に行ける。
別にいつ死んだって構わない。
せめて、巨人は見たい。
こうして、フーリは104期訓練兵に入ったのだった。