【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
デュース
「ちょっとコツが掴めてきたな」
グリム
「よし、オレ様が一気に終わらせてやるんだゾ!ふな〜っ!」
グリムが魔法を放つと、薔薇の色が白から緑やら青やらピンクやらに変わった。
グリム
「…ふなっ?」
ユウ
「グリム!出来ないことで無茶やらないの!」
肝心の赤が一輪もないとはどういうことだ!
ケイト
「こうするんだよ、それっ!」
ケイト先輩がマジカルペンを振ると、薔薇の木に魔法が炸裂し、その木の薔薇全てを赤色に変えてしまった。
エース
「すごっ!さすが3年生!」
あんな一瞬で、たくさんの薔薇の色を変えてしまうなんて……
ケイト
「んじゃ、気を取り直して続き、いこっか♪」
魔法って凄い。
グリム
「見ろ、今度は一発で赤に塗れたんだゾ!」
デュース
「こっちもです!」
ユウ
「あはは、グリムもデュースも楽しそう」
魔法の上達を素直に喜ぶ2人を見てると、微笑ましく思う。
ケイト
「すごいすご〜い!あとは、もうちょい手際よくやれればパーフェクト♪もっと、頭の中で具体的に、赤い薔薇を思い浮かべてから魔法をかけると良いよ」
デュース
「なるほど。赤い薔薇、赤い薔薇…」
静かだなと思ってエースを見ると、エースはエースでデュースとグリムを見ていて……
エース
「はぁ〜!オレも魔法使いてぇ〜!!」
なんて、溜息混じりに嘆いた。
ユウ
「ほらエース、ムラがないようにちゃんと塗らないと」
エース
「お前も意外とノッてるよな」
ユウ
「うん。やってみたら結構楽しかった」
まだ花に塗るのは抵抗あるけど、色塗り作業は単純に楽しい。
でも……
ユウ
「わざわざ赤に塗るくらいなら、最初から赤い薔薇を植えておけば良いのにね」
エース
「あー、確かに」
本当に、薔薇の色を塗り替えるのは写真映えの為なのかな?
ケイト先輩に聞いてみたかったけど、先輩はデュースとグリムの指導で忙しい様子。
薔薇の色塗りが終わったら、また聞いてみようかな。