【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
???→ケイト
「ほい、アップ完了っと♪あ、オレは、デュースちゃんたちの先輩で3年のケイト・ダイヤモンドでーす」
上級生……ケイト先輩は、スマホをしまうと、ポーズを決めながら私達に自己紹介してくれた。
ユウ
「は、初めまして……ユウ・クラシロです」
ケイト
「ユウちゃん、ちっちゃくてカワイーね♪オレのことは、ケイトくんって呼んでね。けーくん♡でもいいよ。よろよろ〜」
ユウ
「よ、よろしくお願いします……」
軽いというかチャラいというか、これまた変わった人だな!
ケイト
「あ、ユウちゃんって、噂のオンボロ寮の監督生になったコだよね。よくあんなとこ住めるね〜!暗そうだしマジカメ映え最悪ってカンジ。ホント同情する〜」
ユウ
「ははは……」
グリム
「コイツ、さっきからちょいちょい失礼なんだゾ」
腹立つ気持ちもあるけど、ハーツラビュル寮を見た直後だからか、怒る気にはなれなかった。
とりあえず、愛想笑い。
ケイト
「って、話し込んでる場合じゃないんだった!パーティの開催は明後日。遅れたら首が飛んじゃう」
首って……そんな物騒な。
ケイト
「ねーねー君たち、薔薇を塗るの手伝ってくれない?」
ユウ
「え、えーっと……」
私が答えに迷ってると、エースが一歩前に出て私とケイト先輩の間に立った。
エース
「つか、なんでそんな変なことしてんの?」
ケイト
「だって、パーティの日の薔薇は赤がフォトジェニック!みたいな?」
見栄えのためかい!
ケイト
「オレ、次はパーティでやるクロッケー大会の為の、フラミンゴに色を付ける仕事があるから忙しいんだよね〜」
グリム
「フラミンゴに色をつけるぅ!?変な仕事ばっかりなんだゾ」
デュース
「つまり、エースが盗み食いしたタルトは、寮長の誕生日パーティ用だったんですね。だからすごく怒った……と」
ケイト
「んにゃ?違うけど」
ユウ/エース
「違うんかいっ!」
思わずツッコんだら、エースとハモった。
エース
「じゃあ、誰の誕生日なんすか?」
ケイト
「誰の誕生日でもないよ。明後日は、我が寮伝統の『なんでもない日』おめでとうのパーティ」