第58章 *創造シルキー*
『っ...はぁ...』
[落ち着きなヨ。今は様子を見るんダ]
『ぅ...』
[安心しなヨ。もし、彼が帰るその日が来たら、どんな手を使ってでも止めれば良イ。その力がキミには備わってル]
『ノ、ア..』
[その時にボクを頼ってくれても良いんだヨ?キミが望む最高の結末を紡いであげル。
ボクは、キミの願いを叶えるためにいるんだかラ]
『....』
[さあ、今キミが頑張るのは、そこの彼をベッドに戻すことだよ]
『...手伝って』
[さすがにそれは無理だヨ]
〔No side〕
非力ながら何とかユウをベッドに運び終えたレイラは、自分もベッドに..とはいかず、静かに部屋を出ていった
オンボロ寮・談話室
エース『冷たくて硬い床で寝れるかっての』
デュース『お前たちがケーキをこっそり食ったから..』
エース『お前だって食ってたじゃん。同罪だろ』
デュース『あれはお前が無理矢理..っ!』
グリム『うるせーんだゾ!さっさと寝ろ!』
エース『だから寒くて寝れねぇんだよ!』
『毛布、持ってきたよ』
『『『!!??』』』
声の方に唯一動く目だけを動かすと、そこには2つの毛布を持ってフラフラとした足取りでこちらへ向かうレイラの姿があった
エース『レイラ!サンキュー、助かったわ』
デュース『わざわざ持ってきてくれたのか。ありがとう..重かっただろ』
『大丈夫....はい、これで温まって。グリムは二人の毛布と一緒に入ってね』
動けないグリムを抱き上げ、二人の間にそっと降ろすと、3人の上に優しく毛布をかけた
エース『マジありがと。凍え死ぬとこだったわ』
『良かった..あの、ごめんね。助けてあげられなくて』
申し訳なさそうに耳を垂らし、赤い瞳が今にも泣きそうな程揺れながら見下ろしていた
エース『レイラは全然悪くねぇじゃん。謝る必要なくね?』
デュース『僕たちがやらかしたことだからな。そう落ち込む必要はない』
グリム『ぐぬぬ..オレ様は関係ねぇってのに』
『今日の夜だけ我慢、だね』