第107章 *到着スカーレット（リドルの夢）*

何通りもある入り口をバラバラに逃げていったレイラたちを追いかけ、寮生たちも次々と迷宮へと入っていき、残されたのはリドルと闇のトレイとケイトのみとなっていた


リドル『はー..はー..』


ケイト？『んじゃ、オレたちも行こっか、トレイくん』


トレイ？『ああ、そうだな。ケイト』


リドル『ううっ、ぐぅっ..！！

はぁ、はぁっ..！そうだ、ボクは..エースに殴られて、寮生たちから、卵を..っ！』


2度醒めかけた覚醒がまたぶり返し空間が歪んでいく。しかし今度は頭痛だけでなく胸の奥を抉るような痛みが走り、感じたことのない苦しみに服の上を握りしめた


あの黒い小さな兎の酷く傷ついた顔を思い出すたびにそれは痛みを増し、まるで後悔や罪悪感のように重く苦しいものになっていく


リドル『どうして、あいつの顔を思い出すと、こんなに胸が痛むんだ..うぐっ！ぁぁっ！


ち、違う.."あいつ"じゃない。"彼女"は、ボクの..大切な...ぐ、ぁぁっ！！』




トレイ？『リドル。辛いことを思い出そうとするのはよすんだ』


ケイト『そうそう、リドルくん。ここにいれば、オレたちはみーんなリドルくんの味方だよ。でも現実に戻れば君はまた嫌われて、ひとりぼっちに戻っちゃう』


トレイ？『そんなのは嫌だろ？』


リドル『いやだ..そんなのは..ぐぅぅっ！』




"貴方は、１人だ"


"ひとりぼっちは..やなの"




リドル『うっ..これは、あいつの言葉..でも、もう１つの言葉は..誰だ？ぐ、ぅぅっ！』


ケイト？『ほらほら、変なこと考えると辛いだけだよ？もうそんなことやめてさ、リドルくんの夢を壊そうとするやつは、みーんな首をはねちゃお....ね？』




リドル『ぐっ..ああ、そうだね..お前たちの言う通りだ。ボクの庭に足を踏み入れたからには、もう帰り道はないよ。ボクの許しなく、夢の世界から逃げ出すなんて許すものか..





ふふふ..あーっはっはっは！』