第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
エース『あいつがほんとの親に酷い目に合わされたってことは聞いてんでしょ。レイラはそいつらのことを"お母さん、お父さん"って呼んでた。
あいつの話し方、いつもちょっと子供っぽいのに変って思わね?』
シルバー『言われてみれば、そうかもしれないな。レイラの言葉選びは、その..幼い子供のようだと思っていたんだが..昔は今と逆だったということか?』
ユウ『そうです。あの子が今みたいな喋り方するのは、親に酷いことされて甘えることも愛されることも出来なかったせいで、長いこと心を塞ぎ込んでた反動。ほんとは知ってるのに難しい言葉を使わないのは、あの頃を思い出さないため』
デュース『だから、親のことも"ママ""パパ"って呼んでるんです。自分に酷いことしてた本当の親とは違うってハッキリ区別したいって気持ちもあったんだろうけど..』
セベク『...なんとも、面倒な話だな』
ユウ『そう思うのは結構だよ。でも、せめてあの子の前だけは気を遣ってくれるとありがたいな』
シルバー『分かった。次からは気をつけよう。3人とも、詳しく話してくれてありがとう』
セベク『..仕方ない。またあの時のようにパニックを起こし泣き喚かれても困る。僕も留意しておいてやろう』
エース『だからなんでお前そんなに偉そうなの?』
『......(またみんなに迷惑かけた。シルバーさんもセベクも、私のこと嫌いにならなっちゃったかな..)』
レオナ『おい。なにシケたツラしてやがる』
『レオさん..』
レオナ『余計なことは考えるな。今は、どうやったら赤い坊っちゃんを叩き起こせるかだけ考えてろ』
『んむ..』
ポンと大きな手が頭に乗せられ優しく撫でていく。言葉はぶっきらぼうだがその温もりや手つきはいつだって優しく、レイラはそんな彼の優しさに救われていた
『ありがと』