第106章 *熱中ベイキング(トレイの夢)*
その言葉にぐにゃりと空間が歪んでいく。現実との齟齬を突きつけられ覚醒の兆しが見え始める
シルバー『はっ!トレイ先輩が揺らいでいる!』
ユウ『いやいや、どこで覚醒し始めてんのよ。どこぞのウツボとおんなじレベルだぞ?まあ、見逃せないくらいクソデカ齟齬だけどさぁ』
"呼びましたか?"
ユウ『呼んでねぇわ』
グリム『あのでっけーエースたちを見て、変だと思わねぇ方がおかしいんだゾ!』
『みんな、すっごくおっきくなってる。お洋服ビリビリになっちゃいそう』
イデア『ト、トレイ氏、リドル氏がたくさん食べて大きく育ってて嬉しいってさっき言ってたけど..デカくなり方が完全に成長期の域を超えてるんですが!?』
リドル?『ふふん、さては僕に身長を抜かれて悔しいんでしょう。イデア先輩。それもこれも、毎日卵とベーコンたっぷりのキッシュを3ホール食べさせてくれるトレイのおかげだね』
イデア『ひぃっ!生卵を毎日ダースで飲んでるらしいバルガスも、裸足で逃げ出すレベル..!』
ケイト?『リドルくん、この1年ですっごく背が伸びたもんね♪今じゃ2年生で1番大きいんだもん。ブカブカだった運動着も、1年で3回も大きいものに買い換えたし』
ケイト『ちょっと!大きくなるにも限度があるでしょ!!ていうか待って?トレイくん、さっきオレのことすぐに分身だって気づいた時..今日は普段と随分様子が違うから、すぐ分かったよって言ってたけど、普段の様子はこのまんまる姿ってこと!?』
レオナ『好きなだけ菓子を作りまくれる平穏な世界..あの眼鏡野郎のことだ、絶対に何か裏があると睨んでいたが..はっ!実際、奴に裏なんぞ全くなかったわけだ。
だが、ただ1つ..奴の考える"好きなだけ"は、俺たちの想像を遥かに超えていた。好きなだけ=際限なく無限にだったってことか』
イデア『つ、つまり..現実では理性が働いてて、際限なく無限に作って食べさせたら、寮生が横にも縦にも大きくなりすぎちゃうよな〜って理解してたけど、夢の中で理性が弾け飛んだ結果、こんなことになっちゃったってこと!?』
ケイト『オレ..初めてトレイくんのことやべー奴って思ったかも』