第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
ラギー『ぐぅ..っ!』
『ラギさん!』
伸ばした手が首を捕らえ、皮膚に食い込むほどの力で絞め上げていく。うめき声をあげながらその手を掴み抵抗するも力の差は歴然だった
レオナ『王の反逆は極刑だ。覚悟はできてるんだろうな?
"俺こそが飢え。俺こそが乾き。お前から明日を奪うもの..."』
キファジ『いけません、レオナ様!炎よ!』
詠唱を紡ぐレオナの足元を高く吹き上がった炎が襲う。不意をついた攻撃にレオナは咄嗟にラギーから手を離した
その場で倒れ込み咽るラギーと怯えるグリムたちを守るように、キファジはその背に庇い立ちはだかる
レオナ『ちっ!..キファジ!てめぇ、さっきのチビうさぎの時といい、俺を裏切るつもりか?そいつらを庇うなら、お前も明日の朝日は拝めなくなるぜ』
キファジ『貴方様が悪い夢から目を醒ましてくれる日を、ずっと待ち望んでおりました。そして それは今日なのだと..私は今、悟ったのです!』
レオナ『抜かせ、老いぼれがぁ!
俺が..この俺こそが、王だ!』
ガウウッ!!と広間に獣の咆哮が響き渡ると、それを合図にどこに潜んでいたと思うほど、大勢の近衛兵のハイエナたちが現れ、あっという間に四方を囲まれてしまった
グリム『うわぁっ!とんでもない数の近衛兵が部屋になだれ込んできたんだゾ!』
ユウ『まさかだと思うけど、あれ全部闇!?』
『どうしよ..逃げられなくなっちゃった』
キファジ『お客人がた。この老骨めも、微力ながら脱出のお力添えを』
オルト『ど、どういうこと?侍従長は、レオナ・キングスカラーさんに張り付いている闇のはず..なのに、なぜ僕らの味方を?』
グリム『今はんなことどーだっていいんだゾ!このピンチを切り抜けねぇと!』
ラギー『ゴホゴホッ!..こうなったらやるっきゃないっすね、ジャック君』
ジャック『覚悟はとっくにできてるぜ!いくぞ!』