第87章 *懐刀インパクト*
リリア『やっぱりな。早速邪魔が入ってきやがった』
鉄の者『昨日はよくも我らの野営地で好き勝手してくれたな!手ぶらで逃げ帰るわけにはいかない。そうなればヘンリク卿に何をされるか..!』
リリア『はっ、いいじゃねえか。たっぷりお仕置きをしてもらえよ!』
鉄の者『なめた口を!覚悟しろ、ヴァンルージュ!』
リリア『かかれ!』
双方の一声で武器がぶつかり合う音が響き渡る。昨日追い出された恨みもあって猛攻を仕掛ける銀の梟たちだったが、リリアの圧倒的な強さには誰ひとり叶わず戦況は一瞬にして劣勢となった
ユウ『わあーリリア先輩強すぎでしょ』
グリム『オレ様の出番がまたなくなっちまったんだゾ』
『あの人たちしつこい』
鉄の者『ひぃい〜!命だけは助けてくれ〜!』
バウル『昨晩見逃してやったというのに、再び戦いを仕掛けてきたのは貴様らだろう!』
シルバー『待ってください。彼らはもう降伏している!これ以上は..!』
降伏する鉄の者たちに武器を振りかざすバウルをシルバーが諫めると、その姿に鉄の者たちはハッとして救いが現れたように声を上げた
鉄の者『あ、あなた様は!あぁ、我々を助けに来てくださったんですね!』
シルバー『えっ?』
鉄の者『あっ..人違いか』
鉄の者『ばかっ!"あの方"がこんなところにいるはずがないだろう。だが..確かに似ている』
バウル『何をごちゃごちゃと!さっさと風鳴き渓谷の向こうへ帰るがいい!』
近衛兵たちによって連行されていく鉄の者たちを見送りながら、シルバーは先程の彼らの言葉に疑問を抱いた
シルバー『..彼らは、誰と俺を間違えていたんだ?』
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それから暫く、一団は目的地を目指して東へと進行を続ける。道中、妖精の子供からお守りをもらったり、シルバーを囮にしたリリアの作戦で鉄の者を追い出したりしながら進んでいくと、小さな町の姿が見え始めた
時間的にも全員の腹が空いてきたであろうということで、一団はその街へと寄ることにした
バウル『街に着いたが..普段と様子が違う気がする』
どこかソワソワとする街の雰囲気に疑念が募る。すると、こちらに気づいた住人たちがホッとしたような顔で走り寄ってきた