第87章 *懐刀インパクト*
シルバー『食べてみてください。まずくは、ないはずです』
リリア『随分と自信があるな。どれ、毒見してやろう..はむっ』
『どう?美味しい?』
リリア『..王都で元老院のクソジジイどもと会食した時の、お上品な飯の味がする!あの時は、俺の顔よりでかい皿の上に、一匙で食い終わる量しか載ってなかったが..こんな大鍋で作るもんなのか』
セベク『お肉とお野菜もどうぞ!』
リリア『どれどれ..がぶっ!!ん!?この肉、柔らかい。まさか、生焼けか!?腹を壊すだろうが、バカタレ!』
セベク『いえっ!しっかり中まで火は通っております』
『リィさん、それローストだから大丈夫だよ』
リリア『ろーすと?』
『お釜とかの中でじっくり蒸し焼きにするの。そしたら美味しい味が逃げなくて、柔らかくなるんだよ』
リリア『へぇ。むぐ..噛むたびに肉汁が溢れてくる。港町の宿屋で出てくる肉の味がするぜ』
悪くねぇと高評価をもらい、セベクはこれまた酷く嬉しそうに顔をほころばせた。そしてリリアの許可が降りたところで、近衛兵たちも次々と料理に手を付け、よっぽど空腹だったのかガツガツと勢いよく食べ始めた
ユウ『さあ、僕らも食べようか』
グリム『はぐはぐはぐ..う〜ん、うめぇ!』
ユウ『ってもう食べてるし。ほら、レイラもここに座って食べようね』
『ん』
ユウ『はい、お野菜あげる。あ~ん』
『ぁ..むぐ..ん、美味しい』
ユウ『良かった..ふふ、可愛いね』
『『『....』』』
ユウ『ぁ..(しまった..ついいつもの癖で)』
レイラに手づから食べさせているところをシルバーやセベクのみならず、近くの近衛兵たちにも見られ、一同はポカンとした様子で食べる手すら止めて見ていた
『ん、ユウ?』
ユウ『ああ、えっと、これはですね..』
シルバー『前から気になっていたんだが、レイラとユウはその.."そういう仲"なのか?』
『???』
ユウ『い、いやいや、そうじゃないんですけど、寮とかではよくやってまして..その、僕がこの子を甘やかしてあげたいばかりにやってたら、癖がついちゃって..お恥ずかしいところを見せました』